この世界には、物事に対して「誰が悪いか」で考えている人と、「どうするか」で考えている人がいます。
これだと長いので、ひとまず「罪悪思考」と「未来思考」と呼ぶことにします。
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罪悪思考の人はこう考えている。
彼らは全てに対して「誰が悪いか」で考えます。
だから常に、自分か他人、どちらかを責めています。
誰かに叱られれば、「あぁ私はなんてダメなんだろう」と自分で自分を責めます。
ちょっと嫌な人に出会うとすぐに、「あの人のこういうところが不快だったプンプン」と怒ります。
だから、彼らが口にすることはいつでも、「ひどいあの人」「かわいそうな私」のどちらかです。
未来思考の人はこう考えている
「未来思考」の人は、全てに対して「どうするか」しか見ていません。
彼らにとっては、「誰が悪いか」なんてどちらでもいいことなのです。
こういう人は、誰かに叱られとしても必要以上に自分を責めないのですぐに立ち直り、「今回はなぜ怒られたのか?同じことを繰り返さないためにはどうするか?」を考えることができます。
ちょっと嫌な人に出会って不快だったとしても、すぐに「じゃあ不快にならないためにはどうするか」を考えるので、距離をとったり、対応の仕方を変えたり、なんらかのアクションを行うことができます。
罪悪思考の人に、未来思考をしてみたら?と提案すると拒絶される
先日、とある罪悪思考の人に出会いました。
そこで僕は上記のことを説明し、「あなたも『何が辛いか』ではなく、『どうするか』を考えてみたらどうだい?」と助言しました。
すると、ものすごく拒絶されました。
彼女はこう言います。
「私はすでにこんなに頑張っていて、こんなにも辛い思いをしているのに、さらにがんばらなきゃいけないの?」
「まだまだ私の頑張りが足りてないってことなの?」
「結局、悪いのは全部私ってことなの?」
この回答は、まだまだ罪悪思考が抜けきっていない証拠です。
僕は別に「あなたが悪い」とは言っていないし、「がんばりが足りていない」とも言っていません。
未来思考の人には、そもそも「誰が悪いか」という概念自体がないのです。
未来思考の人はこう考えています。
「誰も悪くない」
「自分も悪くないし、他人も悪くない」
原因はあっても、悪い人はいない。
僕は、「あなたもそう考えてみたらどうだい?」と言っただけなのです。
思考が違うと同じ地球に住んでいても、別の地球に住んでいる。
罪悪思考の人も、未来思考の人も、どちらも同じ地球にすんでいる同じ人間です。
しかし両者が感じている「この世界」はまるで別世界です。
罪悪思考の人にとってこの世界は、「常にどこかに悪い人がいる世界」です。
だから、他人が悪いと思えば徹底的に攻撃するし、自分が悪いと思えば徹底的に自己嫌悪します。
でも未来思考の人にとってのこの世界は、「悪い人なんていない世界」です。
彼らにとって原因はあっても、悪い人はいません。
他人が原因であっても、他人が悪いわけではない。
自分が原因であっても、自分が悪いわけではない。
だから、他人に対しても必要以上に攻撃しないし、自分に対してもとくに嫌いません。
しかしこのことが、罪悪思考の人にとってはいまいちピンとこないようです。
人は誰でも、心に魔法を持っている。
最近つくづく思うのです。
人の心こそが、「無限の力を生み出す魔法そのものなのだ」と。
「悪い人がいる」と考えて生きる人々は、本当にそれが「ある」と思っています。
しかし人類が生まれる以前に、そんなものがあったでしょうか?
この地球にまだアメーバしか存在していなかった頃に、「誰が悪いか」なんて概念があったでしょうか?
もちろん、ありません。
つまり「誰が悪いか」は、この世界に現実として存在するものではなく、一部の人間が勝手に頭の中で妄想し、創りあげた概念にすぎません。
しかしそれでも罪悪思考の人々は、本当にそれが「ある」と信じて生きています。
だから、「あいつが悪い」と考えては怒るし、「私が悪い」と感じては悲しみます。
その姿は例えるなら、「空想上の怪物と戦っている」のと同じです。
目の前に「怪物が存在する」と思い込み、そいつと戦っている人がいたら、あなたはどう思うでしょうか?
でもそれと同じレベルのことを、誰もが日常的にやっているのです。
自分の中の空想上の罪を責め立て、空想上の罪に怯えている。
やはり、人は誰でも心に魔法を持っているのです。
現実に存在しないものを創り、本当にあるかのように感じる力があるのです。
だからこそ人はよく考え、選択しなければいけません。
自分の心にどのような「魔法」をセットするかを。
それによって、自分の可能性を広げることも狭めることもできてしまうのだから。
たしかに宗教はアヘン(麻薬)である。
だが、もし人がそのアヘンを拒否し 軽蔑できるとすれば、それはその人がすでに別のアヘンの安定した常習者 であるからにすぎないのである。
by永井均「ルサンチマンの哲学」
あなた以外は、あなたに「罪」は感じていないのです。
そして、そもそもその「罪」は、はじめからないのです。
by心屋仁之助「一生お金に困らない生き方」より
ってふと思った!!!!!!!